松本志朗 ルンピ二戦
松本志朗がタイ5戦目を闘った。場所は前回と同じルンピニースタジアム。
今回の松本志朗の相手は在対フランス人のリオ・シアンボクシングジムだ。リオは親の仕事の関係でフランスのトゥルーズからタイに移り住み8年になる。その間に57戦を闘ってきたという。
本人曰く「60パーセントくらいしか勝っていない。」というが、ムエタイで2試合に1回のペースで勝ち上がっていければ上出来だろう。
実は著者もそんなリオの試合は度々目にしてきた。彼がまだ小学生の頃だったか、その頃は打撃は上手かったが、やはり組まれた首相撲の時点で徹底的に攻め込まれてTKO負け。その時はリングサイドから実の親父に怒鳴られ、泣きそうな表情で闘っていた。あれから今までムエタイをやめずにいたわけだ。本場で色々痛い目を味わっているだけに、16歳なった彼は肝が据わっている様にもみえた。
松本もタイ5戦目ではあるが、その表情には自信があった。なにしろ今年が始まって、そのほとんどをタイのジム合宿に費やしていたからだ。タイ人以外の外国人には絶対に負けられない、という気持ちも強かったのではと思う。
試合は初回からローで前に出る松本と、それを捌こうとするリオという図式になった。松本のローキックはよく当たっている。リオの足も赤くなり、蹴り込まれ時に一瞬バランスを崩す仕草もみせた。松本はさらにここから蹴り込みを増し、その優勢を場内が認める程までもっていければ、ハッキリと有利な状況を得られる、、が、リオも単発ながらも振りの大きなミドルを返していく。
3Rに入り両者は組みに出たが、体制の取り合いでも松本は長身のリオを相手に互角だ。松本がはっきりと投げ飛ばす場面が2回ほどあったか。だが、真下からまっすぐに刺すリオの膝蹴りが、単発ながらもジャッジには好印象素材だ。
4R終了時に、近くにいたギャンブラーに「どっちが勝っている?」と尋ねると、「リオが勝てる」という答えが返ってくる。
5R、リオは下がりながらミドルを数発当ると、松本のリーチ外に身を移し終了ゴング。判定はリオ。
松本にとってしっくり来ない判定負けだった。リオに負けたというよりは、ムエタイでの経験不足がそうなったのか。試合前からリオ優勢の賭け率も付いていた状態で始まったこの試合。
試合運びにしてもムエタイは、ただ前に出て攻めていれば良い訳ではなく、今は蹴って、今は下がり、という様なムエタイ独特の組み立てがある。ムエタイの仕組みや試合の組み立てを、ある程度理解できるようになる事と、あとはお客からも、その強さを認知される様に、名前を覚えてもらえる様な試合を心がけること。
今後、これらを心がけて闘うことができれば、タイ国内で判定勝負になった時、納得のいく結果につながっていくだろう。(早田 寛)
この試合はタイのケーブルTVで全土に配信された。この様な機会にいいファイトをみせれば、タイ国内でも瞬時に名を覚えてもらう事ができる。
組んでの首相撲時にリオの体制を崩し、こかす場面が数回あった。
それでも試合の勝敗を左右する賭け率はリオに付いたまま。
松本側への賭け率をゲットするには、今後松本がこの日の様な試合を定期的に行い、タイのギャンブラーから信用を得ることだろう。
松本はローで積極的に出たが、リオは足を効かせながらもミドルキックを繰り出す。見ての通り、このミドルキックの威力は一発で効く様なものではない。、、が、ここでリオが失速しなければ逆に「彼は頑丈でスタミナもある」ということで、リオ有利の判定素材となってしまう。ん~、、難しい。
10月3日ルンピニースタジアム スック・ムエタイルンピニークリッククライ (2部興行) 第8試合 ○リオ・シアンボクシングジム VS ×シロー・96ピーナン
(結果:リオ判定勝利)